根管治療(歯内療法)について

残念なことに、日本は先進国の中で、歯の根っこの治療(根管治療)の再治療が必要となるケースが極めて多いことが知られています。再治療を繰り返すことで歯がもろくなり、その結果歯を抜かなくてはならないことも多く、他国と比較して日本人の残存歯数が少ないことの大きな要因となっています。歯を失ってしまったあとは、高額なインプラントやブリッジ、入れ歯などの補綴治療が必要となります。

噛むチカラが弱まると、消化器官への負担や栄養吸収の低下のみならず、認知機能の低下にもつながることが最近の研究で明らかになっており、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を長く維持するためには、ご自身の健康な歯を残すことが何よりも大切です。

私たちは予防歯科を推進しています。しかし、既に根管治療まで進んでしまったという方も沢山おられ、安易に治療を繰り返す事態に歯止めをかけたいと考えています。歯を抜かないためには、しっかりとした根管治療を行うことが不可欠なのです。

歯の根管は、非常に複雑な形をしている上に、以前の治療状況などで人により千差万別です。そのため、患者さんひとりひとりに合わせた高度な治療が求められます。特に複雑な治療が求められる場合には、保険外治療をお勧めすることもあります。

当グループでは、マイクロスコープ、CTといった最先端の設備を有しており、万全の体制で根管治療を行っています。抜歯の理由は様々ですが、他院で「抜歯です」といわれた歯も、保存できる場合があります。保険の範囲内で初診の検査やご説明を行いますので、是非お気軽にご相談ください。

根管治療の流れ

当クリニックでの根管治療は下記のような流れになります。

初診

  • 問診、カウンセリングでご希望をお聞きします。
  • レントゲン撮影で根管の状況を診査します。
  • 痛みや腫れがある場合は応急処置
  • 治療計画、費用などのご説明
  • 治療方針に納得いただいてから治療を開始します。

根管治療へのアプローチ

  • 場合によりCT撮影、マイクロスコープを使用した治療
  • 何度も足を運ばずに済むように一回の治療に1時間以上かけています。
  • 状況に応じてラバーダムを使用
  • 根の内部の問題だけでなく、専門医が歯周病など歯の保存に関わる全体の状態もチェックします。

ラバーダムとは?

根管治療の際に、ゴムのシートのようなカバーを口の周りに張り、治療する歯の部位だけを露出させて治療する方法です。唾液(細菌)の侵入を防ぐことに加え、消毒液の漏洩や器具の落下などによるアクシデントからお口を守ります。

根管治療のながれ

  • ラバーダムを装着します。
  • 深く進行した虫歯や歯の破折などでは,麻酔をして感染した歯髄を除去します。
  • 根の先が化膿している場合は、根管の中の感染物質を除去します。
  • 根管長測定器により根の長さを測定します。
  • 専用器具を用いて根管内の清掃を丁寧に行います。
  • 薬による洗浄・消毒
  • 根管内に消毒の薬を置き、仮のふたをして数日間をおきます。
  • 症状がなくなったら、根管内にゴム状の薬を隙間なく詰めて再び感染するのを防ぎます。
  • レントゲン写真で確認の上、根管治療を終了します。

神経を抜いた歯は、神経のある歯よりも、もろくなります。ですからしっかりした金属や歯科専用のプラスチックなどの土台を作ります。根管治療した後の根管に立て、その上から被せ物をします。

コア(土台)の構築

虫歯を削ったり、歯が欠損したり、そのままではクラウン(被せ物・差し歯)を被せられない場合には、人工の土台(コア)で欠損した部分を補強する必要があります。

保険治療

保険治療の場合には、ほとんどがパラジウムなどの金属を使用した「メタルコア」になります。メタルコアには以下のデメリットがあり、以下のデメリットを説明した上で進めています。

  • 再治療でコアの除去時に歯が割れ抜歯になってしまうリスクが高い。
  • 自然な透明感で人気のあるオールセラミック冠をかぶせる場合、中の金属の色が透けてしまうリスクがある。
  • 歯茎から経年劣化とともに金属が黒く透けて見えてしまうことがある。
  • 金属アレルギーのリスク

保険外治療

再治療やアレルギーのリスクを減らすため、「コンポジットレジン」という白色の硬質プラスチックで土台を作ります。その中心に「ファイバーコア」という弾性と耐久性をもち噛むチカラを吸収する素材を支柱として使用する保険外治療をご選択いただけるようにしています。


<治療前>


<治療後>

前歯など力のかかりにくい場合は透けて見えにくい、より白く透明感を重視した「フャイバーコア」を使用し審美性を高めます。チカラが加わる奥歯で残存歯質が少ない場合は、生体親和性が良い(カラダへの負担がない)「金合金」を使用しています。

もっとも大切なことは、歯が少しでも多く残っているほうが、歯のより長期保存の可能性を高めますので、虫歯が進行して痛みが増し、根の先端が化膿したりする前に少しでも早く来院されるよう切に願います。

次は上モノ、被せ物治療へと進みます。