虫歯の原因と症状

虫歯とは

虫歯の原因

虫歯になる原因は、①細菌②食べかすや糖分③歯質④時間が大きく関わります。お口の中に存在している細菌(ミュータンス酸)がプラークを作り出し、食べかすや糖分を栄養として酸を出します。通常、唾液の作用により口腔内は浄化されていくのですが、歯磨きを忘れたり、磨き残しや間食が多いと、お口の中は酸性に傾いたままになるので、徐々に歯が溶かされていき、やがて穴が空いてしまいます。

虫歯を放置するとどうなる?

虫歯を放置すると、やがてエナメル質を溶かし、象牙質から神経へと進行していきます。
虫歯が神経に到達するときには激痛を起こし、最終的には神経を腐らせてしまいます。放置をし続ければ、最悪なケースでは抜歯が必要になります。痛みが発生したら放置せずに、歯科医院で治療をうけることをおすすめします。

虫歯になりやすい人と、虫歯になりにくい人がいる

虫歯になりやすい人となりにくい人

虫歯の原因の③にある歯質の部分のお話をします。
むし歯のなりやすさは、その人の持つ①虫歯菌の量・種類、②唾液の量・性質、③歯の強さ、④食習慣などによって決まります。 虫歯菌は、歯が生えてから3歳くらいまでに口の中に感染して定着しますが、両親の口腔内の状態が悪く、食べ物の口移しなどを日常的に行っていると虫歯菌が定着しやすいと言われています。

唾液には、虫歯菌に対する抗菌作用や、酸を中和する作用があるのですが、唾液の量が少なくネバついている人はむし歯になりやすくなります。また、甘いものや酸性度の高い飲食物を好む人、噛み合わせが悪く歯ブラシが難しい人、遺伝的に歯が弱い人もむし歯リスクが高いので注意が必要です。

虫歯の症状

虫歯になったら、以下のような症状があります。

  • 歯の溝が黒ずんでいる
  • 冷たい飲み物や食べ物で歯がしみる
  • フロスが引っかかる
  • 噛むと痛い

上記のような症状を感じることがあれば、虫歯の可能性があります。

虫歯治療の目標

当院が最も大切にしていることは「歯の保存(残す)」です。
歯の保存を目指すために2段階の目標を設定しています。

神経の保存(歯の神経を残す)

神経の保存を目指すための精密治療

歯の神経を残すことは、歯の寿命を伸ばすことに繋がります。 歯の神経は栄養や血液を運んでおり、神経を失うことは栄養が行き届かなくなるため、神経のある歯に比べて脆くなり、割れてしまうリスクが格段に上がってしまいます。歯根まで割れてしまうと基本的に抜歯する必要があります。

歯の神経が感染していないことが条件ですが、残せると判断した場合は積極的に保存を選択し、できる限り神経を取らないように努力しています。

歯の保存(歯を残す)

神経が残せない場合は歯を残すことを努力します

歯の神経が保存できない場合は、歯を残すことに注力します。 丁寧な根管治療によって、できる限り歯を抜かない努力をします。

また、歯ができる限り長期に維持できるよう、メンテナンスを通して、 虫歯の再発や噛み合わせによる外傷を防ぎながら、二人三脚であなたの歯をお守りするためにクリニック一眼となってあなたをサポートしていきます。

むし歯の進行と治療法

C0:初期虫歯

初期虫歯のイラスト

C0はどのような状態か?

痛みなどはなく、歯の色が少し白濁してきます。この状態で虫歯に気付くのは、中々難しいですが、少しでも気になられたら治療へいきましょう。この状態であれば、再石灰化により健康な状態の歯に戻すことが出来ます。

治療法

フッ素塗布やブラッシング指導を行い、セルフケアの質を高めつつ再石灰化を促しつつ進行を阻止します。治療中は、定期的な経過観察が必要です。

C1: エナメル質(歯の最表層)に小さな穴が開く

c1まで進行した虫歯のイラスト

C1はどのような状態か?

エナメル質を溶かし、小さな穴が空いた状態です。このときはまだ痛みはありません。虫歯の大きさにもよりますが、麻酔をしなくても治療が可能な場合があります。

治療法

虫歯の部分だけを削り、削った部分にコンポジットレジンと呼ばれる樹脂を詰めていきます。それと同時にフッ素塗布やブラッシング指導を行い、虫歯の再発を防ぐためのセルフケアと定期検診に進んでいきます。

C2:象牙質(歯の内部)まで達するが、歯髄にまでは及んでいないむし歯

c2まで進行した虫歯のイラスト

C2はどのような状態か?

象牙質まで虫歯が到達した状態です。この時には、冷たいものがしみると感じます。また、虫歯の範囲が大きい場合は、食べ物が詰まりやすくなったりするのも症状の特徴です。

治療法

虫歯の範囲にもよりますが、小さい範囲の虫歯は、C1と同じ様な処置を。範囲が大きい場合は、詰め物(インレー・アンレー)や被せ物(クラウン)で削った部分を修復する治療を行います。

詰め物・被せ物にはセラミックを用いた治療がありますのでこちらを参照ください。

C3: 歯髄(神経)まで達した虫歯

c3まで進行した虫歯のイラスト

C3はどのような状態か?

歯の神経まで虫歯が到達した状態です。穴は大きい場合と、小さくても内部で進行している場合があります。このときには、熱いものが染みたり、激しい痛みを引き起こします。神経を残せるかどうかの瀬戸際で、残せる場合は神経の保存を試みますが、残せない場合には根管治療を行います。

治療法

歯を保存できる場合は保存治療を行い、虫歯の大きさによって、アンレーもしくはクラウン修復を行います。残せない場合は、根管治療に移行します。

根管治療についてはこちらを参照ください。

治療後の詰め物・被せ物にはセラミックを用いた治療がありますのでこちらを参照ください。

C4: 歯の頭の部分が崩壊し、根だけが残ったむし歯

c4まで進行した虫歯のイラスト

C4はどのような状態か?

この状態までくると、神経が死んでしまい痛みを感じなくなることがほとんどです。しかし、最近が歯の根の先にたまり(根尖病巣)痛みが再発することがあります。歯を残せるか?抜歯をしなければならないか?を判斷する必要があります。

 

治療法

歯を保存できる場合は根管治療を行い、歯の根がしっかりと清掃し薬を詰めたあと、コアという土台を立て、クラウン修復を行ないます。残せなかった場合は、抜歯をします。

根管治療についてはこちらを参照ください。

治療後の詰め物・被せ物にはセラミックを用いた治療がありますのでこちらを参照ください。

当院ではなるべく痛くない、削らない治療を実践しています。

虫歯の治療をするときに打たれる麻酔が痛い、怖いと思われたことはありませんか?また、出来れば歯を残したいから削られたくないと仰られる患者様もいらっしゃると思います。当院ではそのようなお悩みを解決するために、痛みに配慮しつつなるべく削らない虫歯治療を実践しています。

なるべく痛くない、削らない虫歯治療についてはこちらをお読みください。

修復治療は2002年FDI(国際歯科連盟)においてMI(Minimal Intervention)という「う蝕管理において、出来るだけ歯を削らないためには、どうしたらいいか」という声明がなされました

  • 口腔内細菌叢の改善
  • 患者教育
  • エナメル質および象牙質の再石灰化
  • う蝕へ最小の外科的介入
  • 不良修復物の修理

ミニマルインターベンションを行う上での定義が上記になります。