ラバーダム防湿法(Rubber Dam Isolation)について
ラバーダム防湿法とは?
ラバーダム防湿法とは、唾液や細菌が治療する歯に付着しないために、「治療する歯だけを隔離した治療空間を作る」ことです。
そうすることで、治療中の歯が細菌感染することなく、安全に治療を進めることができるようになります。
1864年NYの歯科医師Barnumにより適切な修復治療(虫歯治療)や根管治療のために考案され、現在も世界中の歯科医師にとってなくてはならない防湿法となっています。
ラバーダム防湿法のメリット
- 歯を口腔内から隔離し、治療効率が向上し良質な処置を提供
- 唾液、血液、呼気および細菌の侵入を防ぐ
- 軟組織の保護
- 接着強さなどの歯科材料の特性を最大限に活用可能
- 治療への負担軽減
ラバーダム防湿法が適さない方
- 鼻呼吸が困難な方
- 顎が弱い方、長時間お口を開けているのが難しい方
- 歯の形状から装置を固定することができない場合
口腔内の状況やケースによってラバーダム防湿法が適さない場合があります。
ラバーダムを使用しないリスクと普及率
MIでの処置は歯質接着性、耐久性および審美性をもつコンポジットレジンおよびセラミックスが主になっています。 しかし、接着材料は温度や湿度の影響を受けやすく、特に唾液および血液により接着強さが低下します。ラバーダム防湿法を行わない場合、前歯30%、臼歯45%の接着強さが低下すると報告されています。
根管治療は無菌的処置が原則です。しかし、ラバーダム防湿を行わないまま口腔内細菌が唾液や血液と共に根管内に侵入することで、持続的な痛みが残ることがあります。これはラバーダム防湿未実地と最も関連していると報告があります。
国内では歯学部で教育されているものの、残念ながらラバーダム防湿法を行う歯科医師は少数派という現状にあります。 根管治療にラバーダム防湿法を使用すると回答した一般歯科医師は5.4%、日本歯内療法学会(根管治療の学会)でも25.4%と報告があります。欧米では約60%と大きな差があります。
表参道 若林歯科医院では修復治療や根管治療において、ラバーダム防湿法を患者さまの為になると考え、日々を行なっています。