MTA覆髄治療(歯髄保存治療)

MTA(Mineral Trioxide Aggregate)について

MTA

歯髄とは歯の中にある血管や神経組織です。
根管治療、いわゆる根の治療とはこの歯髄の存在する歯髄腔内の治療のことを示します。
根管治療は大きなう蝕で歯の保存が困難な場合、歯根を残す上で有効な保存治療です。しかし歯髄を除去することのリスクもあります。 処置自体の難しさや消失しない痛み、器具の破折、歯質の劣化など喪失リスクは高くなります。

根管治療を行った歯の喪失リスク

前歯部1.8倍 臼歯部7.4倍 経過観察期間8年(平均6.7倍)Caplan.2005

口腔衛生状態が良好な方を30年間追跡調査した所、歯の抜歯原因は破折(62%)が多くなる。Axelsson P.2004

MTAセメントの特徴

  • 硬組織誘導能
  • 高い殺菌性(強アルカリ:pH12)
  • 高い辺縁封鎖性
  • 体に優しい生体親和性

MTA覆髄治療(歯髄保存治療)が適さない場合

以下に該当する方は、治療に適さない場合があります。

  • すでに歯髄が失活(死んでいる)場合
  • う蝕が大きく進行した場合
  • 痛みが強く認められる場合

症例で見るMTA覆髄治療

主訴

  • 歯に穴があいた
  • 冷たいものでしみる
  • フロスが引っかかる

術前

  • 歯髄に近接するう蝕
  • 歯髄電気診より歯髄の生活反応を認める

初診1

初診2

初診3

術中

  • 麻酔後、ラバーダム防湿下でう蝕を除去
  •    
  • う蝕除去中、露髄(歯髄の露出)を認めた為、歯髄の保存を試みた
    (従来、露髄を認めた場合、抜髄(根管治療)を行なっていたが、近年、MTAセメントを用いることで歯髄が保存できる可能性が高まった)

処置1

処置2

処置3

術後に向けて

  • その後、仮充填(仮詰め)で経過観察後、歯髄の生活反応を確認しインレー(最終的な詰め物)へ移行した
  •      
  • ラバーダム防湿後、仮詰め除去後、プラークを赤く染め出しし、エアフローというパウダーを吹き付け歯面に付着した接着阻害物を徹底除去します
  •      
  • これで接着力を最大限に高め、再びう蝕になるリスクを下げることに繋がります。最終的に、インレーを接着します

処置4

処置5

処置6

処置7

処置8

処置9

治療のリスク

MTAを行うためには術前の診査が重要になります。
う蝕があまりに大きい場合や、何もしていなくても痛みがある場合には歯髄の保存が困難な場合があります。
また、MTAを行なっても、経過を診て症状が生じた場合や歯髄の生活反応が消失した場合は、通法どおり抜髄に移行する可能性があります。

できるだけ歯髄を残す治療を行います。

歯髄を残す治療

オーラルケアクリニック青山では極力、歯髄は抜かないようMTA覆髄治療を含めた治療計画を考えています。

う蝕や破折で歯髄が露出した場合、根管治療で歯髄を除去することが一般的でした。MTAセメントは露出した非感染性生活歯髄を封鎖することで歯髄を除去せず保存できる可能性があります。